大学院保健学研究科

研究科長挨拶


保健学研究科長

齋 藤 陽 子


 2005年4月に弘前大学大学院医学系研究科保健学専攻(修士課程)が開設され、2007年4月に博士後期課程の設置とともに大学院保健学研究科は、独立・部局化しました。こうした歩みの背景には、少子超高齢社会を迎えたわが国における保健医療の担い手の育成およびその教育と研究の基盤整備を行うことが、喫緊の課題として顕在化したことによります。一方、保健医療分野では、遺伝子医療や再生医療の進展にみられるように細分化や融合化が進む中、生活習慣病の対策や地域包括ケアシステムの構築が進められるとともに、生活の質を重視した健康観が求められております。

 弘前大学大学院保健学研究科博士前期課程、後期課程は、ともに看護学領域、放射線技術科学領域、生体検査科学領域、総合リハビリテーション科学領域の4領域を有しております。博士前期課程は、管理実践能力をもつ指導者・高度専門職業人の育成を目的とし、また博士後期課程は、高度な専門的知識技術をもつ教育研究者の育成を目的としながら、社会に貢献することを目指しております。さらに、博士前期課程には、2010年度から全国で唯一の「被ばく医療コース」、2015年度から「放射線看護高度看護実践コース」を設置し、被ばく医療に対応できる医療専門職の養成を目指しております。また博士後期課程には、2015年度から「被ばく医療コース」を設置し、被ばく医療の教育・研究者の養成を目指しております。こうした取り組みは、東日本大震災に続発した福島原子力発電所事故から、保健学研究科の教員が長期にわたり支援活動を行うことに繋がり、さらなる発展を期待するものです。

 本研究科は、一般学生のみならず既に社会で活躍している方々が、より専門的知識・技術を高め、それを現場に還元していただくことをも目的としております。そのため医療・保健・福祉施設、教育研究機関、官公庁、企業などで勤務しながら、昼夜開講制、休日や夏季・冬季の一部を使用する集中講義、インターネットを活用する遠隔講義、長期履修制度など、課程で学ぶことができる制度を設けることにより、社会人の学習機会の拡大を図っております。

 保健学研究科は、保健医療の一翼を担いながら高度専門職業人として、また教育研究者として、より社会で活躍してみたい、社会に貢献したいという意欲ある皆さんの入学を心から歓迎します。
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