13年度活動報告集

 

氏名:対馬栄輝(ツシマ エイキ)

専  門:

@整形外科理学療法学

A生物統計学

担当科目:

2年:機能診断学実習(前期)・運動学実習(前期)・物理療法学実習(前期)   日常生活活動分析学実習(前期)・理学療法原理U(前期)・理学療法   技術学T実習(後期)・臨床実習T(通年)

 3年:理学療法原理V(後期)・臨床実習U(通年)・卒業研究(後期)

非常勤講師等:

@弘前女子厚生学院(担当科目:リハビリテーション医学)


目次

著書 学会発表 論文 社会活動 その他

 

1.著書

 @岡西哲夫(編),対馬栄輝,他:下肢関節可動域障害患者のADL.下肢関節疾患の理学療法(理学療法MOOK 8),三輪書店,2001

《内容》

 整形外科的疾患患者の日常生活活動について,起こり得る障害とそれに対するリハビリテーションの概念および具体的な方法を解説した。

 

 

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2.学会発表

 @対馬栄輝,三浦孝雄:股関節外転筋力に対する測定肢位の影響,第28回日本股関節学会学術集会プログラム・抄録集,176,2001.(発表学会:第28回日本股関節学会学術集会)

《要旨》

 健常人における腹臥位と背臥位での股関節外転筋力の信頼性,互換性を求めた。反復測定の2way-ANOVAデザインにより分散成分を推定して信頼性係数を求めた。その結果,信頼性,互換性ともに非常に高い結果となった。

 A対馬栄輝:股関節屈曲・伸展位における股関節回旋角度の違いが股関節外転筋力値に及ぼす影響,理学療法学 28(suppl No.2),111,2001.(発表学会:第36回日本理学療法学術大会)

《要旨》

 健常成人を対象として股関節回旋角度を変化させた時の股関節外転筋力値を測定した。外転筋力は内旋位と中間位で有意に低いという結果を得た。

 B対馬栄輝,金沢善智,他:高齢な大腿骨近位部骨折患者における身体機能と痴呆の関係,東北公衆衛生学会誌 50:19,2001.(発表学会:第50回東北公衆衛生学会)

《要旨》

 大腿骨近位部骨折患者84名を対象にADLと痴呆の関係について,正準相関分析を用いて解析した。

 C対馬栄輝:理学療法データにおける級内相関係数の適用−その特性と情報提示について−,第19回東北理学療法士学会抄録集,46,2001.(発表学会:第19回東北理学療法士学会)

《要旨》

 級内側関係数の特徴を知るために,様々なデータを作成してモンテカルロ・シミュレーションを行い,係数と標準誤差,信頼区間との関係を観察した。その結果,係数が等しくても標準誤差は異なる場合があり,信頼性係数の表示だけでは不十分であることがわかった。

 D対馬栄輝:足・股・踵上げストラテジーによるFRTの特徴,第25回青森県理学療法士

学会抄録集,11,2001.(発表学会:第25回青森県理学療法士学会)

《要旨》

 Functional Reach Test施行時のストラテジーと重心動揺距離の関係を検討した。ストラテジーの方法で,重心動揺距離に大きな差が生じることを確認した。

 E対馬栄輝,對馬 均,他:当校で使用している臨床実習評価表の紹介,2001.(発表学会:第3回東北理学療法教育研究会)

《要旨》

 医療技術短期大学部3年次学生の臨床実習Uで用いている評価表を紹介した。過去2年間の評価結果をもとに,記述統計と主成分分析を行った。判定結果の値は正規分布する傾向にあり,またT・U・V期臨床実習の目的にあわせて判定結果の特徴が反映される特徴を見出した。今後,妥当性も含めて,より客観的な評価表の作成を試みたい。

 F石田水里,対馬栄輝,他:立位における肩または腰へ後方から外力を加えた時の腓腹筋の活動時間,理学療法学 28(suppl No.2),111,2001.(発表学会:第36回日本理学療法学術大会)

 G石田水里,対馬栄輝,他:腹臥位と立位における腓腹筋の反応時間の比較.第19 回東北理学療法士学会抄録集,36,2001.(発表学会:第19回東北理学療法士学会)

 H金沢善智,対馬栄輝,他:特別養護老人ホーム入所女性の音響学的骨評価値から見た運動指導の必要性に関する一考察,第60回東北産業衛生学会東北地方会抄録集,2001.(発表学会:第60回東北産業衛生学会東北地方会)

 I大熊克信,対馬栄輝,他:脳卒中片麻痺患者の座位における前方への上肢最大リーチ距離.第25回青森県理学療法士学会抄録集,10,2001.(発表学会:第25回青森県理学療法士学会)

 J鈴木陽子,対馬栄輝,他:脳卒中片麻痺患者における病棟内歩行の自立について〜機能面に着目して〜.第52回北海道理学療法士学会抄録集,48,2001.(発表学会:第52回北海道理学療法士学会)

 K金沢善智,対馬栄輝,他:特別養護老人ホーム入所高齢女性の音響学的骨評価値と日常の活動状況との関連性に関する縦断的研究,第85回弘前医学会総会,2001

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3.論文

@対馬栄輝:股関節屈曲・伸展角度の違いによる股関節外転筋力値の変化.理学療法学 28:9-13,2001.(別刷添付)

A対馬栄輝:大腿骨頚部骨折患者に対する理学療法.老人骨折リハビリテーション実践マニュアル.Montly Book Medical Rehabilitation 1: 25-31,2001. (別刷添付)

B対馬栄輝,對馬 均,他:下肢の運動戦略とFunctional Reach Test.理学療法科学 16:159-165,2001.(別刷添付)

C対馬栄輝:理学療法における多重比較法の適用.東北理学療法学 13:30-37,2001.

(別刷添付)

D対馬栄輝:理学療法分野の研究における分散分析の適用.理学療法研究 18:47-54, 2001.(別刷添付)

E石田水里,対馬栄輝:後方からの外力を加える部位・負荷量の変化による立位時の下肢筋活動順位について.理学療法学 28:220-224,2001

《要旨》

 立位保持している健常者に対して部位または変化させた外力を後方から加えて,特徴的な下肢の筋活動順位が起こる条件について検討した。その結果,強い外力を加えた条件になるほど一定した筋活動順位を示し,加える部位が異なると筋活動順位は異なる特徴を示した。

F石田水里,対馬栄輝:反応時間測定における筋活動開始を判断する基準の比較.総合リハビリテーション 29:843-849,2001.

《要旨》

 筋活動開始を判断する基準の違いによって,筋の反応時間の値がどのように異なるかを検討した。活動開始の判断はS言語プログラムによるシステム解析により,安静時の最大値,絶対値,±2SDを越えた時点で計測する方法を比較した。その結果,安静時振幅の最大値または絶対値を越えた値を活動開始とする方法が妥当であることがわかった。

G對馬 均,対馬栄輝:EBMと理学療法教育.理学療法 18:1072-1075,2001.

《要旨》

 理想的なEBPTの実現を目標として,evidenceの蓄積に専念すべきである。EBPT教育の基本的コンセプトは「evidence消費者」ではなく「evidence生産者」を育てることである。サイエンスとアートの融合体としての理学療法のevidenceは,既存の医学界の中からではなく,自らの臨床の中から拾い出されるべきである。

H大熊克信,対馬栄輝,他:年齢・性別・身長・体重はFunctional Reach Testに影響するか?.東北理学療法学 13:50-54,2001.

《要旨》

 健常成人90名を対象にFunctional Reach Testを測定し,年齢,性別,身長,体重との関係を検討した。重回帰分析の結果,身長と年齢が有意に影響していた。

I福田敦美,対馬栄輝,他:自転車ペダリング時の下肢筋活動パターン.東北理学療法学 13:14-18,2001

《要旨》

 健常者と整形外科的疾患患者における自転車ペダリング時の筋活動パターンを比較した。部分荷重期の整形外科的疾患患者は健常者と比較してパターンの異常があることを認めた。

JHitoshi Tsushima,Eiki Tsushima,et al:Dynamic balance in standing position in hemiplegic patients:Repeatability of functional reach test and timed up and go test for hemiplegic patients.Bull Sch Allied Med Sci,Hirosaki Univ 25:119-129,2001.

《要旨》

 脳卒中片麻痺患者27名を対象に,Functional Reach Test(FRT)とTimed up and Go Test(TUG)を測定し,日内変動・日間変動の信頼性を検討した。FRTはICC=0.88で,TUGはICC=0.99と,いずれも高い再現性が保証された。 

KMihoko Noda,Eiki Tsushima,et al:The characteristics of walking and pedometer readings of the fragile elderly people.Bull Sch Allied Med Sci,Hirosaki Univ 25:155-163,2001.

《要旨》

 介護老人保健施設を利用している39名の虚弱老人について歩行特性を調べ,実歩数と歩数計測値の関係を歩行速度,歩数計装着部位,歩数計の感度の観点から検討した。60m/分以上の歩行速度では実歩数を示す傾向にあったが,20m/分では実歩行をほとんど反映しないことがわかった。

 

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4.社会活動

1)所属学会および職能団体など

  @日本理学療法士学会

  A理学療法科学会

  B日本股関節学会

  C日本老年医学会

  D日本計算機統計学会

 2)学外委員会・協議会等

  なし

 

 3)学外依頼講演等

 @実例を用いた臨床・医学データ解析−t検定から多重ロジスティック回帰分析まで−

   (開催地:東京都お茶の水,主催:技術情報協会)

 Aデータ解析・統計学ってどんなもの?

   (開催地:弘前市,主催:青森県理学療法士会)

 Bホームヘルパー養成研修会(開催地:弘前市,主催:介護労働安定センター)

 Cホームヘルパー養成研修会(開催地:青森市,主催:青森県介護実習・普及センター)

 

 

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5.その他

《共同研究など》

 @「多変量解析におけるカテゴリカルデータの区切り値に関するシミュレーション」について,弘前大学理工学部数理システム科学科数理システム最適化講座(数理統計学)との共同研究

 A「転倒に関する姿勢制御についての簡易画像解析システムの作製と理論モデルの構築」について,弘前大学理工学部知能機械システム工学科知能制御工学講座(ロボット工学)との共同研究

 B(株)生化学工業開発部統計解析グループからの新薬開発の評価尺度作成および,そのデータに対する統計的解析方法の協力依頼

C統計解析に関する依頼・問い合わせに応じた。

依頼者所属施設内訳)

茨城県立医療大学附属病院(茨城県),岩手医科大学附属循環器医療センター(岩手県),大阪医専(大阪府),オリンパス光学工業消化器事業推進部(東京都),川嶌整形外科病院(大分県),希望病院(埼玉県),九州大学医学部附属病院(福岡県),滋賀県立小児保健医療センター整形外科(滋賀県),山形医療技術専門学校(山形県),など。

 D特別養護老人ホーム三和園において整形外科的骨関節疾患(主に上腕骨頸部骨折,大腿骨頸部骨折の保存療法,術後療法)を伴った入所者に対する急性期理学療法に関わり,その成果を平成13年度東北ブロック老人福祉施設研究会実践研究発表大会で「廃用性症候群予防と看護リハビリテーションの実際」として三和園と共同発表した。この演題は平成13年度東北ブロック老人福祉施設研究会優秀賞として表彰された。

《専門理学療法士の申請》

 業績をまとめて,今年度の専門理学療法士(骨関節系理学療法研究部会)登録へ申請。

 

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