13年度活動報告集

 

氏名:對馬  均(ツシマ ヒトシ)

専  門:

@機能診断技術学

A運動療法学中枢神経系

担当科目:

1理学療法原理T前期・機能診断技術学後期

2機能診断技術学前期・機能診断技術学実習前期・運動学実習前期・機能診断技術学演習後期・運動療法学U後期・臨床実習T通年

3臨床実習U通年・卒業研究後期

非常勤講師等:@青森県立保健大学担当科目臨床判断分析学

 

目次

著書 学会発表 論文 社会活動 その他

 

1.著書

@對馬均:標準理学療法学(専門分野) 理学療法評価学(内山靖編). 医学書院,東京,2001.

 本書は理学療法学生を対象とした入門レベルの教科書として編纂されたシリーズの内一巻で、理学療法評価学に関する知識体系を、これまでにない視点からまとめたものである。著者はこの中の「第5章 統合と解釈」を担当した。その内容の概略は、従来重視されながら詳述されることのなかった、検査結果やその他の患者情報の統合と解釈について、基本的考え方と具体的方法論について解説されている。

A對馬均:標準理学療法学(専門分野)臨床実習とケーススタディ(鶴見隆正編) 医学書院,東京,2001.

本書は理学療法学生を対象とした入門レベルの教科書として編纂されたシリーズの内一巻で、理学療法における臨床実習教育について、特に若手の臨床実習指導者を対象として、基本理念から教育の実際までがまとめられている。著者はこの中の「第3章 臨床実習評価のあり方」を担当し、臨床実習評価の基本的考え方から具体的評価の方法、留意点について詳述している。

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2.学会発表

@対馬栄輝,對馬均,他:足・股・踵上げストラテジーによるFRTの特徴−FRT距離,重心移動・面積による比較−.第25回青森県理学療法士学会,2001318日.

Functional Reach Testにおける3種類の下肢ストラテジー(足・股・踵上げ)の影響を知ることを目的として、20名の健常成人を対象として、−FRT距離,重心移動・面積の比較を行った結果、以下の所見を得た。@立位姿勢が崩れるに従って足から股ストラテジーの順に応答する。AFRT距離と重心移動距離とは関係するとは言い難い。Bストラテジーの取り方によってFRT距離と重心移動距離は異なるC各ストラテジーの構成要素に関するさらなる研究が必要と思われる。

A對馬均,他:片麻痺患者の歩行能力予測指標としてのFunctional reach testTimed Up & Go testの有用性について.第1回弘前大学医学部保健学科研究発表会, 2001926日.

脳卒中片麻痺の活動性につながる立位や歩行時の動的バランス能力に注目し、理学療法効果判定の指標としてのFunctional Reach TestTimed Up and Go Testの可能性について検討した。結果として、これらのテストの再現性は高く、片麻痺の動的バランスや歩行能力を的確に反映し、歩行実用度の予測も可能であることが示唆された。脳卒中片麻痺に対する理学療法効果判定の指標としてこれらのテストを用いることの臨床的価値は極めて高いものと考える。

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3.論文

<学位論文>

Hitoshi TSUSHIMA: Retest reliability and inter-tester reliability of skin-marker placement in gait analysis using the VICONR 3D-motion analysis system. The Doctoral Dissertation, Hirosaki University, 2001.

(和文要旨)3次元動作解析システムにおけるマーカー設置の検者内、検者間信頼性について明らかにすることを目的として、VICON140を使用し、健常成人6人に対して熟練した2人の理学療法士が各2回ずつマーカー設置と10mの自由歩行データ採取を行った。マーカーはマニュアルに従い仙骨部からつま先までの15箇所に設置した。測定は検者2人が同日内で時間をずらして行った。2回目の測定は2週間以内に同様に実施し、KadabaらによるCoefficient of Multiple Correlationを用いてデータ曲線の一致度を分析した。結果として、検者内、検者間信頼性は、ともに矢状面上の運動(Ra=0.99〜0.97)、前額面上の運動(Ra=0.98〜0.73)、水平面上の運動(Ra=0.90〜0.73)の順に高いことが確認された。マーカーの付け直しての再測定でも、高い検者内、検者間信頼性が得られたことは、3次元動作解析装置による歩行の経時的評価を行うに際のデータの有効性に裏付けを与えるものと言える。

<投稿論文>

@Hitoshi TSUSHIMA, et al.: Dynamic balance in standing position in hemiplegic patients: repeatability of Functional Reach Test and Timed Up and Go Test for hemiplegic patients. Bull. Sch. Allied Med. Sci., Hirosaki Univ., No.25: 119-129, 2001.

(和文要旨)歩行可能な脳卒中片麻痺患者27名を対象として、Functional Reach Test(FRT)とTimed Up and Go Test(TUGT)のテスト結果と片麻痺患者の歩行能力の関係、日内、日間での再現性について明らかにすることが本研究の目的である。FRT、TUGTについては、同一日の午前中と午後の2回行い,さらに,1週間後の同時刻に再測定を実施した結果、FRT、TUGTともに片麻痺患者の歩行能力と相関が見られた。さらに片麻痺におけるFRTとTUGTの再現性は極めて高く,立位動的バランス能力を表す指標として,臨床的価値の高いことが明らかとなった。

A大熊克信,對馬均,他:年齢・性別・身長・体重はFunctional Reach Testに影響するか?東北理学療法学,13:14-18,2001.

(要旨)Functional Reach Test(以下,FRT)とは,立位の支持基底面を維持しながら,上肢を可能な限り前方へ伸ばした時の距雌を測定する立位バランス評価法である。本稿の目的は,FRTに影響すると考える多数の因子の中から,被験者の基礎的情報(年齢・性別・身長・体重)とFRTの関連性を明確にすること,被験者の基礎的情報からFRTの予測式を算出することの2点である。対象は青森県鶴田町健康ウォーク事業開始時の初回評価に参加した31〜80歳の90名(男性13名,女性77名)である。日常生活に支障が出るような疾患を有していないことをアンケートから確認した。FRTの2回繰り返し測定における再現性は,級内相関係数が推定値0.915と高い値であった。FRTと被験者の基礎的情報との関連は,単相関係数において年齢と身長が有意な相関を認めた(ともにp<0.01)。重回帰分析の結果は,予測式の寄与率が382%,年齢と身長が有意な説明変数として採択され,年齢,身長の順にFRTに影響していた。また,予測値から外れた対象者が90名中3例あった。FRTに対する被験者の基礎的情報は,年齢と身長をそれぞれ単一で捉えるだけではなく,2つの因子を組み合わせた結果でみることも有効であると考える。

B對馬均,対馬栄輝:EBMと理学療法教育.理学療法,18:1072-1075,2001.

(要旨)世界的なEBMの潮流が渦巻く中、理学療法教育においてEBMをどう扱うべきなのかについて考察し、以下の点を総括した。1.理想的なEBPTの実現を目標として、今はevidenceの蓄積に専念すべき時ではないか?2.EBPT教育の基本的コンセプトは、evidence消費者ではなくevidence生産者を育てることにあるだろう。3.サイエンスとアートの融合体としての理学療法のevidenceは、既存の医学界の中からではなく、自らの臨床の中から拾い出されるべきである。それがEBPT教育の目標でもあるだろう。

C対馬栄輝,對馬 均,他:下肢の運動戦略とFunctional Reach Test.理学療法科学 16:159-165,2001.

(要旨)Functional Reach Test(FRT)遂行における運動戦略(ストラテジー)の相違がFunctional Reach距離(FR距離)及び重心移動の要因にどのように影響するか確認した。対象は健常者19名(平均年齢21.6±4.3歳)とした。FRTは股・足・踵上げストラテジー(股・足・踵上げFRT)の3条件で遂行させ,FR距離とともに重心の前後移動(前後移動),重心動揺外周面積(動揺面積)を測定した。その結果,FR距離は踵上げFRT,股FRT,足FRTの順にそれぞれ有意(p≦0.05)に大きく,前後移動,動揺面積はともに踵上げFRTが股FRT,足FRTより有意に(p≦0.01)大きかった。FR距離,前後移動,動揺面積の間の相関は有意でなかった。主成分分析の結果では主に前後移動を反映する成分(寄与率30.7%)と,FR距離と前後移動を分ける成分(寄与率25.4%)が挙げられた。踵上げFRTは前後移動や重心動揺も大きく,より高度な姿勢制御能力が要される特徴があった。また,同一のストラテジーでFRTが行われる場合はFR距離と重心移動に有意な相関はあるといえないことが明らかとなった。

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4.社会活動

1)所属学会および学術団体

@日本理学療法士協会

A日本体力医学会

B東北理学療法教育研究会

C青森県理学療法士会

 2)学外委員会等

@日本理学療法士協会学会評議員

A東北理学療法教育研究会会長

 3)依頼講演等

@鶴田町「高齢者のためのねたきり予防講座」転倒予防−転ばぬ先のこころがけ−2001年3月14日・21日、於:鶴田町鶴遊館

A青森県高齢福祉課介護専門員講座「介護場面におけるリスク対応」2001年1月10日、於:県民福祉プラザ

B弘前市「転倒予防に効果的な運動のポイント」2001年9月6日、於:弘前市保健センター

C青森県西地方農業改善普及センター「膝や腰の痛みを防ぐ効果的な運動」2001年11月6日、於:木造町公民館

D難病患者相談事業、2001年8月30日、9月28日

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5.その他

@第36回日本理学療法学術集会シンポジウム「理学療法の20世紀を振り返り、21世紀を語る」PartU−研究−“理学療法における臨床研究の課題にどう取り組むか”(2001526日)於:広島市

A日韓理学療法学術交流シンポジウム「日本の理学療法教育−今日までそして明日から−」(2001623日)於:青森県立保健大学

B第5回生活環境支援系理学療法研究会の開催。テーマ:介護保険のもとでの支援に役立つ理学療法士のための住宅改修ワークショップ(20011027日)於:弘前市

C鶴田町90日間健康ウォーク事業協力(2001624日、930日)於:鶴田町

D第5回神経系理学療法研究会ワークショップ「神経障害の理学療法効果」コメンテーター(2001122日)於:仙台市

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