疫学研究,統計解析の知識は必須である

 疫学(Epidemiology)とは,集団を対象とした疾病の発生原因や予防などを研究する学問です.本来は,伝染病を研究対象とした学問ですが,現在では生活習慣病などを研究対象とするケースが増えています
 理学療法に限った話ではありませんが,身体障害に関する研究では,統制された実験環境で得られる研究よりも,実際の臨床の場で得られるデータ,またそこから得られるエビデンスの方が実用的で役に立つといえます.
 実際の臨床の場でデータを得る方法は,様々あると思いますが,それなりの信憑性を保証できる,もしくは研究限界を把握できるために,
研究者は,研究デザイン,バイアスなどの疫学研究に対する知識が必須となります.
 ところが,こうした
疫学研究方法を教授できている医療系大学院は,ほとんどないという現状です.
 当ゼミでは,根拠に基づく医療(EBM)理解・実践のために必要な2本柱,疫学研究の知識と,統計解析の知識をもとにして,研究方法の理解を中心とした研究活動を行っています.

統計解析の重要性

 統計解析については,ある程度使えるひとが多くなってきているのですが,全く見当違いの解析を堂々と行って,学会発表するとか,本人が全く理解していないで解析・発表するケースはさらに多くなっています.
 かりに間違いがあっても,評価できる人(もしくは意見を述べる人)が居なければ,間違ったままで継続する人も多く見受けられます.集団で誤ったことをしている場合は,全員が気づかないという問題を抱えています.
 当ゼミに限っては,
こうした統計解析の適切性についても,厳格に修正・指示します.

研究テーマは自由.テーマを自分で見つけることが大切

 上述の通り,当ゼミの研究テーマは自由です.研究方法の基礎を身につけることを主体としたゼミ方針なので,各自テーマを見つけ(これが一番重要です),計画をして,…という手順が身につかなければ,臨床の場で自らが研究を始めるとか,後輩に指導するとか,学会で他者の研究を批判するという行動は起こせません.
 当ゼミでは,健常者を対象とした姿勢・動作分析に関するもの,整形外科疾患患者に対して予後予測,もしくは治療効果を検討するもの,脳卒中患者の歩容観察を扱ったもの,がんリハビリテーションに関するもの,栄養指導に関するものなど,
多種多様であり,他分野の研究テーマと接することで自らの研究内容を見直すよい場となっています.

ゼミ紹介ページ(バイオメカニズム学会誌,2018に掲載)

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