SPSSによる級内相関係数の求め方

 ある評価表を使って4人の検者が6人の被検者を評価した結果が以下の表のようであったとします。知りたいのは,検者a〜dで再現性がどの程度保証されているか,です。そのような場合に級内相関係数(ICC)を使う方法があります。

  検者a 検者b 検者c 検者d
被検者a 9 2 5 8
被検者b 6 1 3 2
被検者c 8 4 6 8
被検者d 7 1 2 6
被検者e 10 5 6 9
被検者f 6 2 4 7

  SPSSでは下記のように,検者を列方向に被検者を行方向に位置させて入力します。この場合,a〜dの検者が,6人の被検者を測定したというデータ形式になっています。

 

ツールバー[分析]の[尺度]から,[信頼性分析]を選びます。

検者の変数を選び,[項目]欄に変数を投入します。

[統計]をクリックして,[信頼性分析]ダイアログを開きます。

[級内相関係数]をチェックし,[モデル]から目的とする手法を選びます。→以下参照。ここでは,分散分析も同時に行うことにしています。

case1のモデル(ICC(1,1)orICC(1,k))→[モデル]を[一元配置変量]とします。[信頼区間]には95以上の数値を入れてください。

case2のモデル(ICC(2,1)orICC(2,k))→[モデル]を[二元配置変量]とします。タイプを[絶対一致]にして下さい。[信頼区間]には95以上の数値を入れてください。

case3のモデル(ICC(3,1)orICC(3,k))→[モデル]を[二元配置混合]とします。タイプを[一致性]にして下さい。[信頼区間]には95以上の数値を入れてください。

 検者の効果を固定要因とするか,変量要因とするかによって[モデル]は異なりますが結果に影響せず,[タイプ]の使い分けが鍵となります。選択方法についてはメニューを参照。

上述の例で,結果を出力してみました。

 

この例ではICC(1,1)とICC(1,4)が出力されます。各係数の下に信頼区間が表示されます。

[Average Measure]というところは,ICC(1,k)のモデルに相当します。これは,一般化可能性理論の決定研究,すなわちD-studyで使われるものです。一般化可能性理論とは…,メニューをご覧下さい。

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